第7回 アイ アクセシング キュー
人間は、「五感」を通して情報を取り入れます。
五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚)の感覚器官を通して取り込んだ情報を、脳がどの様に処理しているかは、眼球動作(視線の向き)に現れ、「見る」という行為は、目の働きではなく、目と脳の連携にあり、目と脳が非常に密接な関連があることがわかっています。
これは、相手がその瞬間どんな感覚を通して思考しているのか、簡単に見分けるために発見、開発された、「視線解析」です。
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アイ アクセシング キューとは
「目は口ほどにものを言う」と言われるように、人の目の動きをよく観察することで、相手がどこに情報を置いているか、れによって、どのように行動しているか、手がかりがつかめます。
ある事柄を、絵で理解、イメージしているのか、音で聞いて判断しているのか、身体感覚で感じているのかわかることによって、その人にどのように関わることが有効なのか合理的に理解できます。
これらの、眼の動きと脳の関連は、どこの国の人にもあり、共通の特徴を持ちます。
「視覚」にアクセスする時は、視線は上に動く。
「聴覚」にアクセスする時は、視線は横に動く。
「触覚」「内部的会話」にアクセスする時は、視線は下に動く。
そして、多くのケースとして、右を見ている時は、未来のことを考えています。
左を見ている時は過去のことを思い出しています。
アイ アクセシング キューのパターン
☆以下のような6パターンに分けることができます。
1.右上を見る
→今までに見たことのない映像、あるいは見たことと違うイメージを映像化
例)100歳になった自分。。
2.左上を見る
→今まで見たり経験したことの映像を思い出している
例)子どもの頃の家の形。。
3.右横を見る
→今まで聞いたことのない音を想像で聞こうとしている
例)携帯電話の呼び出し音が「笑点」のテーマソングに変わる
4.左横を見る
→以前聞いたことのある音を思い出している
例)自宅の呼び鈴の音。。
5.右下を見る
→身体感覚にアクセス
例)手が冷たいな。。。と感じている
6.左下を見る
→自分の内部と話している
例)お気に入りの歌を頭の中で歌っている
アイ アクセシング キューと効き感覚
しかし、人にはそれぞれ「効き感覚」があるので、日常では以下のような反応が想像できます。
「正装をして出かけた日に、大雨でびしょ濡れになってしまった。どんな気分がしますか?」
という質問をした場合、これは「身体感覚」を聞いているので、視線は「下」へ動くと考えられます。
しかし、これが「視覚優先」タイプの人の場合、先ず濡れた衣類や持ち物自体を思い浮かべ、頭の中で「絵」にします。だから視線は「上」に動きます。
「聴覚優先」タイプの場合、雨が降る「ザーザー」という音を先にイメージするかもしれません。
その場合視線は「横」に動きます。
そして、ファーストアクセスの後、「絵」を思い浮かべたり、「音」を思い出したり、「感覚」を感じたり、「独り言」を言ったりと、めまぐるしく思考が動いて、解析をし続けます。
この思考の動きは、一瞬で起こるので、視線解析だけでその人を分析理解することはできませんが、その人の頭の中にある「地図」を理解するヒントになるメカニズムと言えます。
時に、左利きの人が左右逆になるケースもみられます。
アイ アクセシング キューのトレーニング
この技術を有効に使うためには、観察力を養うことが重要となりますので、繰り返し練習を重ねてください。
アメリカの映画で、容疑者のアリバイを質問した刑事が、容疑者が、「その時刻は、○○のバーに、俺は居たぜ」と言っても、右上の空間を見ていたという視線を根拠に、
「ははは、それは嘘だ! お前は右上を見ただろう。
それは嘘を言っているからなんだよっ!!
最新の心理学でそれが分かるんだよっ!!」
と、得意げになるというシーンがありましたが、実際はそんなに単純ではありませんので、いきなり、家庭でこの解析方法を持ち込んで、連絡が取れなくなった夜の「アリバイ」を詰問したりしないでくださいね。
アイ アクセシング キューを学んでコミュニケーションをスムーズに
「アイ・アクセシング・キュー」は、エレガントに愛情を持って使うとき、子供ちゃんがうまく説明できないときや、大人でも、言葉にすることが難しいときなど、相手の心を大切にし、言葉にならない声を聞いてあげることができるようになります。
そして職場や家庭などで、活用することによって自分に近い人の特徴がわかり、コミュニケーションがスムーズになり、皆がHappyになる方法です。