第6回 カリブレーション
カリブレーションは、言語以外のサインにより、相手の心理状態やその変化を読みとることをいい、よく観察することです。
相手の無意識的な反応をキャッチして、相手の心理を読み取るプロセスのことです。
カリブレーションとは
カリブレーションは、人が様々な思考や感情を経験している時に、その人の外面に現れる表情や顔色、呼吸や目の動きなど、非言語の反応の微妙な変化の違いを、素早く見分けることです。
これにより、五感の観察力を鍛え、知覚技能を磨くことは、コミュニケーションを改善するために非常に有効なツールであり、重要な土台となります。
相手が発している様々なサインを察知していく能力が高まると相手を理解する力が格段に上がります。
日々、意識しトレーニングしていくことで、これらの能力は向上していきます。
相手のウソも見破られるようになります。
自然に活用しているカリブレーション
人は日常的にある程度自然に、「カリブレーション」をしています。
相手の声のトーンや、使用言語、表情、姿勢等で、おおよその観察は無意識のうちにしています。
親しい間柄の人であれば、その観察による解釈は、事実に近いものとなる可能性はありますが、それほど親しくない関係や、出来れば親しくなりたくないような関係の場合どうでしょう。
そこに生まれる、自分なりの解釈は、無意識のうちにしているもので、それが役に立つものであるならば問題はないかもしれませんが、単に想像妄想で、根拠なく関係を悪化させているとしたら?
・・・・・・・・・・いかがですか?
人は、人数分の「違う現実を見ている」ということを理解できると、不要な衝突を避け、自分自身を守り、「欲しい結果・状態」を手にすることが容易になります。
カリブレーションのポイント
☆「視覚」
表情・顔色、姿勢、視線の方向、
ボディーランゲージ、
脚・腕の組み方、
呼吸の速さ深さ、身体の揺れ・・・
☆「聴覚」
声のトーン、スピード、間の取り方、
吐息ため息、笑い声、
話の内容、擬態語・擬声語の使い方、
感嘆詞・・・
☆「身体感覚」
体温・印象・身体の感触・・・・・
カリブレーションの能力は、視覚、聴覚、体感覚、味覚、嗅覚という五感に大きく分かれます。
この中でコミュニケーションに主に関わるのは視覚、聴覚、体感覚です。
カリブレーションの達人
実生活でよく目にする、カリブレーションの達人は、「お母さん」です。
特に乳幼児を育てている最中のお母さんの能力は、超人の域に達していると思います。
泣き声ひとつで、赤ちゃんの気持ちを、聞き分けます。
イクメンパパがいくら努力しても、かないません。
母親には「天賦の資質」があるのですから。
ただ、子どもたちが大きくなり、お母さんの庇護が必要でなくなり、手離れしていくと、比例して、その能力は衰えていく傾向はあるようです。
使わなくなると鈍ってくるのは自然ですが、使い出せばすぐ戻ってくると思います。
自転車と同じです。
足りないのは「自信」かもしれません。
カリブレーション能力を鍛える
実際のセミナーではそれぞれの能力を上げていくトレーニングを何度も繰り返し学んでいきます。
最終的には、相手が、語らぬ内容まで見えてくるところまで、能力が開花する方もいらっしゃいます。
肌は、目と共に「露出した脳」とも呼ばれ、様々なエネルギーを感じる力があります。
カリブレーション能力を鍛えることにより、言葉にならない思いを、お互いに理解することができると、本当に安心できる人間関係を作ることができますね。